スティッキー感
2022/05/06
歯の表層を覆う硬い「エナメル質」ですが、特にそのエナメル質の表面は2次石灰化により硬くなっております。
虫歯菌によりエナメル質は侵され、う蝕が深部の象牙質へと進行します。歯の組織構造上、奥歯の溝からのう蝕は、その下の象牙質迄、一気に到達します。
そして、エナメル質とその下の象牙質との接合部で横にひろがります。(ここでのう蝕がエナメル質に限局する事など、まず無いのです。)これを『下掘れう蝕』と呼びます。
しかし、ある程度虫歯が進行しても、先程の硬いエナメル質の表層はう蝕抵抗性が強いので、虫歯菌に侵されずに残り易いのです。その所為で、う蝕の発見が遅れるのです。
奥歯の溝が黒っぽいと、虫歯ではないかと気になり歯医者へ行きますよね。でも「虫歯では無いでしょうか?」と訊くのでは無く、「スティッキー感はあるのでしょうか?」と聞いて下さい。
(スティッキー感を知らない歯医者もいたりして、虫歯でも無い歯を削られてはかないませんからね。)
歯医者は探針を使い溝をさぐります。その時、虫歯であった場合には、エナメル質の表面の残された硬い部分が探針で容易に崩され、密着し、歯から探針を抜く際に、エナメル質の密着による粘っこい抵抗感があります。
これを「スティッキー感」と呼びます。そして、その歯が『虫歯であることの確証』を得るのです。
このスティッキー感が無い場合は幾ら溝が深くても、色が何らかの色素で黒ずんでいたとしても、それは虫歯ではありません。
次回へ続く… (フィッシャーシーラント)