プライムデンタルクリニック

2022/12/06

歯のセラミック治療といえば、セラミックの審美性に優れた白さから、主に前歯に使用され ることが多いイメージがありますよね。

しかし、この記事ではセラミック治療のメリット・デメリットに加えて、奥歯の治療にセラ ミックがおすすめな理由について解説します。

奥歯にセラミックを使った治療は、見た目が綺麗・虫歯が発生しにくいだけではなく、強度 や金属アレルギーの面など様々なメリットがあります。

セラミックとは

セラミック治療とは、お茶碗や食器と同じような陶器の素材を詰め物に使う歯科治療です。

最近では、奥歯の詰め物にセラミックを使う「メタルフリー」治療を推奨する歯科医院が増えています。

セラミックは白い素材であるため、詰め物が入った状態でも口の中が綺麗に見えることがよく知られています。その他にも、歯の健康状態に関わる、目には見えないメリットがいくつも報告されているのです。

奥歯にセラミックを使った方が良い理由

セラミックの詰め物や被せ物には、銀歯での治療では補えないメリットがいくつも存在します。

ここからは、セラミック治療のメリットについてご紹介します。

①見た目が綺麗になる

セラミックの詰め物は、天然の歯に近い白さや透明感、艶が最大の魅力です。
虫歯治療で神経を除去すると、歯が変色する可能性があります。しかし、セラミックの詰め 物や被せ物を治療に使うと、健康な状態の歯の白さを再現することができ、口を開けたときも虫歯治療の跡が目立ちません。

②虫歯・歯周病のリスクが軽減できる

セラミックの詰め物は、銀歯よりもしっかり密着することから、虫歯や歯周病のリスクが少ないとされています。
銀歯の詰め物はその接着剤が時間がたつと劣化しやすく、銀歯と歯の隙間に隙間ができることがあります。そのため、隙間に虫歯菌が侵入して残った歯に虫歯が発生したり、歯周病を引き起こしたりする恐れがあるのです。
セラミック光重合接着剤は銀歯よりも劣化がしにくいため、残った歯の健康を保つことに繋がるといえるでしょう。

③金属アレルギーのリスクがない

セラミックの素材は陶器(硬質ガラス)であることから、詰め物を入れた後でも金属アレルギーのリスクがありません。
そのため、金属アレルギーの方や銀歯を使用した後にアトピーや皮膚のトラブル、味覚障害などの症状が起きた経験のある方は、セラミック治療を選択することをおすすめします。

④耐久性が高い

セラミックの歯はエナメル質にその硬度が近い為、銀歯よりも耐久性が高いことも重要なポイントです。
銀は時間の経過とともに溶け出し体に吸収されるので注意が必要です。さらに、溶け出した 成分が歯茎に付着すると、金属の色がそのまま付いてしまう場合もあります(これをメタルタトゥーと言います)。もっと重要なのは手のひら、足の裏などにもたまります。そのかゆみで皮膚科へ訪れても水虫ではないという診断が下ります。
1980年代から世界中で使われていないこの銀はもっと重篤な疾病を招きます。
それは、銀が脳に溜まるのです。世界に比べて日本人の認知症の老人が多いのはこの銀のせいではないかと言われています。

科学的に安定で、生体親和性のあるセラミックの場合は時間が経っても溶け出す心配がなく、上記のようなこともなく安心です。

奥歯セラミックの種類

保険診療の場合はCAD/CAM冠(ハイブリットセラミック)、自費治療ではオールセラミック など、セラミック治療にも様々な種類があります。
ここからは、セラミックの主な種類についてご紹介していきます。

◆ CAD/CAM冠(ハイブリッドセラミック)

CAD/CAM冠(ハイブリットセラミック)は、セラミックにプラスチックを混ぜた素材を使用しています。
CAD/CAM冠は保険診療が適用されるため比較的安価で治療が行えます。しかし、プラスチックが混ざっているため、オールセラミックに比べると仕上がりの美しさや強度が劣ってしまいます。

奥歯には噛む力が強くかかるため、セラミックの種類を選ぶ際により強度の高い物がおすすめですが、真ん中部分の小さな歯(小臼歯)は奥歯よりも力がかからないため、日本ではCAD/CAM冠で十分とされています。
しかし、これは大きな間違いでエナメル質よりも柔らかいCAD/CAM冠はその咬耗が速いため、咬む相手の歯と当たらなくなるだけでなく、大臼歯の咬合性外傷を引き起こすのです。
その理由は、犬歯誘導からグループファンクションへ移行する際、力の分散に乱れが生じるからです。
それだけではなく、この小臼歯は固い食べ物を砕く役割をしているので、それなりにエナメル質に近い硬さも必要になるのです。

◆ ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは圧倒的な硬さのある素材であるため、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。
見た目の美しさから前歯によく使用されますが、耐久性が高いため強い力のかかる奥歯にもおすすめです。

セラミックの奥歯は何年持つ?

セラミックで奥歯の詰め物をした場合、寿命は20〜30年が平均的とされていますが、当院では半永久的治療を目指しております。
それには、スキルの高い歯科医師及び技工士による製作物である必要があるのです。

歯科医院のメインテナンスでは、セラミック治療をした歯だけでなく、お口全体の健康状態や噛み合わせのチェック、クリーニングを行います。

セラミックの歯をなるべく長い期間快適な状態で維持するためには、普段の歯磨きやお口の中のケアがとても大切です。

セラミックのデメリット

ここからは、セラミック治療で予想されている主なデメリットについてご紹介します。
セラミック治療を検討している方は、セラミック治療のデメリットについても、詳しく知っておきましょう。

◆ 割れる可能性がある

陶器のお茶碗を落としたら割れてしまうのと同じく、セラミックの歯はふとした衝撃で割れる可能性があります。

特に、歯ぎしりや歯の食いしばりがある方は噛み合わせを正常に整えてからセラミックス治療を行わなくてはなりません。

そして、色の美しさだけでなく噛み合わせについてもしっかり相談してください。

◆ 値段が高い

セラミック治療は、銀歯よりも値段が高くなることがほとんどです。
安価な混ぜ物のCAD/CAM冠(ハイブリットセラミック)は保険適用となりますが、オールセラミックの場合は保険適用外になるため注意が必要です。

 

 

まとめ

セラミックは強度が高く、金属アレルギーのリスクが無いという大きなメリットがあります。

生体親和性において有利です。

そのため、銀歯を使用した場合と比べて経年劣化が少なく、治療後の虫歯や歯周病のリスクも少ないとされています。